2017年3月25日土曜日

【読書メモ】経済で読み解く織田信長

個人的に御朱印を収集するが、本書を読んだ後は、豪華なお寺を訪れるたびに、「貿易でうまく稼いだんだろうなきっと」と心のなかで勘ぐってしまうようになってしまうかもしれない。

本書は室町時代、日明貿易から応仁の乱を経て織田の無長野天下統一までの歴史を貨幣量から当時の経済情勢を探る。そこには、当時の貿易に寺社が密接にかかわっていたこと、そして、その寺社が貿易を通じて強大な勢力であったことが垣間見える。

比叡山、臨済宗、本願寺など、歴史の授業では、受験勉強で覚える一つの単語に過ぎなかったこれらの寺社勢力が、どのような駆け引きを展開して歴史上のイベントへのつながっていくのか、日本史を勉強した人ならそれだけでもぐいぐい引き込まれていくだろう。

経済の視点で歴史を振り返りつつ、日本史の復習と整理もできしていまうというありがたい(?)本だ。巻末の参考文献もかなり興味深い著書が並んでおり、思わずAmazonでポチってしまいたくなりそうな本ばかりでかなり危険だ。

著者の上念司氏は、本書のほかにも経済の視点で歴史を紐解く『経済で読み解く~』のシリーズ(『経済で読みく明治維新』と『経済で読み解く大東亜戦争』)を出しており、こちらも歴史本としてなかなか面白い本だ。

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