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2017年8月12日土曜日

【読書メモ】『人工知能と経済の未来』

人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊 (文春新書)
井上 智洋
文藝春秋
売り上げランキング: 1,324
筆者が本書を読んだ2017年もAIが今話題だ。企業研修でも「AI」と「イノベーション」と「働き方改革」、この3つの単語を使ったタイトルのものが多くなってる。
本書は、AIについての説明はもちろん、今後のAIの発展の予測、そして、それに伴う経済への影響を描く。単なるAI モノの本にとどまっていない点が、本書の読み応えあるものにしている。経済学の本を少しでも読んだことがある人なら、後半の内容は著者の意見と自分の意見を対比させながら読むだけでも楽しめる本だ。
AIは、人間の脳にどこまで迫れるのか。そして、将来どこまで進化するのか。
AIが進化した結果、我々の仕事はどのように変わるのか。(奪われてしまうのか)
そして、経済へどのような影響を与えているくのか。
AIによって仕事を奪われたら、我々はどのように所得を得て暮らしていくのか。
読んでいきながら、自分なりのイメージと対比させながらあーだこーだ想像をふくらませるのが楽しい。

2014年12月27日土曜日

【読書メモ】『暴露:スノーデンが私に託したファイル』

暴露:スノーデンが私に託したファイル
グレン・グリーンウォルド
新潮社
売り上げランキング: 4,955

アメリカ国家安全保障局(NSA)が行っていた国民電子通信の監視活動とそれらが実際に公にされるまでにあったいろいろな実態がわかる一冊。すでにニュース等でも有名になってしまったエドワード・スノーデン氏による暴露情報全貌をまとめたものである。

本書を読むと、その監視活動が実に、巧妙に、厳格なルールのもと実行されていることに驚くだろう。公開文書には、システムの概要図のようなものまであり、資料の内容の一端がわかるので、IT業界に携わる人なら、単純に、NSAという公的機関がシステム要件をどのようにしてドキュメント化しているか、興味深い内容になるかもしれない。
そして、このようなリークは我々に真実をもたらす一方で情報公開者に対するメディアの想像を超えるネガティブキャンペーンのすさまじさにも驚くことのなる。

例えば、NSAはネットで利用している各種無料のサービスを提供する企業(マイクロソフト、ヤフー、グーグル、フェイスブック等)から監視に関する情報の提供を受けていることがわかる。うすうす感じている身とはいえ、やはり驚くべき内容だ。

また、国家間の情報戦争なんて言葉が現実味を帯びる事実も本書には提示されている。例えば、関係国との情報に関するやりとりについてだ。関係国をその強力の度合いにより三つのカテゴリに―ランクしている。三つのカテゴリはファイブアイズ同盟国>協力するけど監視もする国>監視国といった具合。ちなみに、日本は三つのカテゴリのうち残念ながらファイブアイズ同盟国には入っていないようです。戦争はしないけど経済ではいろいろバチバチですからなってことで。

また、ネガティブキャンペーンについてもトーク番組で司会者が公然とスノーデン氏や、事実を公表した著者自身にも及ぶ。あるTV番組では根も葉もないデマ情報を元に司会者が公然と人格非難・否定を行うのである。(その後正式に謝罪するところもあれば全くしないメディアもある)
この辺りは、以前アメリカの選挙に関する本を読んだ時にも感じたが、そのでっち上げぶりが見事なぐらい徹底していて、あきれてしまう。

本書は個人にとって便利(かもしれない)なITが国にとっても便利に使われてますよということを知らしめてくれる本である。また、日本を含め、あらゆる国々でも同様のことが行われていると見るべきであるだろう。

2013年3月20日水曜日

【読書メモ】『ウェブで政治を動かす!』

ウェブで政治を動かす!
ウェブで政治を動かす!
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朝日新聞出版 (2012-11-13)
売り上げランキング: 46

著者はジャーナリスト。本書はKindle買った最初の新書で、ITに関する著書の多い著者らしく、本書も書店発売とほぼ同時にKindleで発売された。早速買ってみた。 本書は「レコード輸入権制度」をきっかけに政策にかかわらなければ政治は何も変えられないという著者がウェブ(インターネット)によって今後の政治がどう変わるのかを考察した本だ。

まず、本を読んでいて若干とまどった。ウェブやらインターネットやらソーシャルメディアといった言葉が出てくるのだが、本書の中でこれはウェブについて語ったものなのか、インターネットについてのことなのか、ソーシャルメディアについてのことなのかが上手く区別できない。(レベルがちがうから、全てウェブになっちゃうけれども)

本書ではソーシャルメディアをきっかけに起きた反原発デモやアラブの春など、いくつかの事例を取り上げたり、ソーシャルメディアを積極的に活用している国会議員へのインタビューを通じ、ソーシャルメディア(=ウェブとしていいのかもしれない)がどのように役になって、何が不便だったといったことが書かれている。

津田氏の見解も書かれているが、全体的に引用が多く、ウェブの使用に対して「こんな意見がある・こんなことがあった」といった内容をまとめた感じだ。

本書で紹介・絶賛されていた本『「オバマ」のつくり方』は今度読んでみたい。

ジュリアン・アサンジ氏によるソーシャルメディアの3つの役割(ざっくりメモ)
1.プロの記事に対して多様な視点を与える
2.埋もれているものを発掘、拡散する
3.プロの調査のためのネタ元

2012年6月14日木曜日

【読書メモ】『閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義』

閉じこもるインターネット――グーグル・パーソナライズ・民主主義
イーライ・パリサー
早川書房
売り上げランキング: 9212

HONZ.JPで取り上げられた本。普段、良く利用するGoogleやYahooなどの無料の各種サービスでは、利用者に関する情報がいろいろ収集されていることは、十分わかっているつもりだ。検索サイトでの検索結果もそれらの情報を使ってより「役に立つ」検索結果がでるように「パーソナライズ」されてる。

じゃ、具体的に収集された情報はどの程度のレベルでどのように収集されているのだろうか。また、パーソナライズされる検索結果が突き詰められるとどんなことが懸念されるのだろうか。

この本を読み終わったら、Googleは便利だなぁって言っていた自分が脳天気に感じられてしまう。やっぱり、ただより高いものはないんだな、それを痛感する本である。じゃ、ネットは使わないかっていうと、そうも言ってられない。何も知らないよりは、本書を読んだ上で、ネットの上の便利なサービスを利用したほうがいいんじゃないかと思いました。

GoogleやFaceBookなどのログインをして利用するサービスでは、ログイン情報とあわせて、どこで、どの時間帯に、どのくらいの頻度に、どのサイトのどのボタンをクリックしたか、などのいろいろな情報が収集されていく。そして、そこから膨大な計算がされて、各業種に使える情報として、見えないところで売買されていく。

無料のメールサービスでは、ログイン情報とメール文面からもいろいろな傾向情報がログインIDと紐付けられていく。だから、うっかりプロフィールなんかに性別、年齢、住んでいる場所なんかを入れた日にゃ、それはマーケティング上、とても貴重な情報となるわけです。

震災の時に、こりゃ便利だと自分も購入したiPhoneの無料通話ソフトなんかは、よくよく見ると、端末の情報(位置情報等)を収集する旨を規約に書いている。なるほど、これらの情報が手に入れて売っちゃえば、ソフトをタダにしても十分元取れちゃうってことなんですね。

検索結果が最適されることを「パーソナライゼーション」と呼ぶらしい。それはそれで便利だけれど、その行き着くところが、ログインしたら検索しなくても勝手に求める情報が表示されるWebページ。なんだか気持ち悪い。

検索結果が自分に便利なものだけが表示されるだけならまだマシかもしれない。もっと怖いのは、自分に都合のいい情報しか手に入らなくなるかもしれないってこと。自分の知りたいニュースを検索したら、自分と同じ信条、似たような意見に関するページが検索結果の上位に出てくるようになる。ということは、知らずに自分の思考が狭まってしまう可能性があるってことが語られている。なんか怖いですね。

いろいろ考えさせられた本。おもしろかったです。

2012年4月30日月曜日

【読書メモ】『ゲーミフィケーション―<ゲーム>がビジネスを変える』

ゲーミフィケーション―<ゲーム>がビジネスを変える
井上 明人
NHK出版
売り上げランキング: 1534

本書はHONZ.JPでも紹介された本で、ゲーミフィケーションについて語られた本である。本書によるとゲーミフィケーションとは、「ゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を、ゲーム以外の社会的な活動やサービスに利用するももの」として定義されている。そもそも、この「ゲーミフィケーション」という概念は2011年8月にガートナー社という調査会社が注目すべきテクノロジーの一つとして選んだ概念である。

ゲームというとTVゲームをイメージするが、本書では選挙の候補者のホームページ(オバマ大統領の選挙活動)や、ランニングの履歴管理(ナイキプラスやRUNKEEPER)や、ある地域へ訪れたことを記録すること(ロケタッチ、フォースクエアなど)を例にゲーミフィケーションについての説明とそれらの影響について述べられている。

いくつかのものはすでに知っていたが、選挙への活用例は思わずよく考えたなと感心してしまった。支持者は候補者のホームページ上に登録すると、どのように候補者のために役に立てたのか、例えば電話を何十世帯へかけたとか、いくら寄付をしたとかを記録すると、まるでロールプレイングゲームのようにレベルが上がっていき、レベルに応じた位が与えたれていく。その結果、支持者はまさにゲームを行なっているように支持活動に参画できるのである。よく考えたな〜と。

他にも、スターバックスの常連客へのサービスプログラムや、ディズニーの人事制度など、身近な例が色々出て来て興味深い。自分もプログラミングコードを勉強できる「コーデカデミー」をちょっと覗いてみたが、なかなか面白そう。

本書は、今、巷に色々あるサービスをうまい具合に整理していくれているような気もする。

2012年4月1日日曜日

【読書メモ】『IT時代の震災と核被害 (インプレス選書)』

IT時代の震災と核被害 (インプレス選書)
東 浩紀 飯田 豊 三上 洋 宮台 真司 村上 圭子 池田 清彦 円堂 都司昭 荻上 チキ 加藤 典洋 萱野 稔人 西條 剛央 酒井 信 神保 哲生 飯田 哲也 武田 徹 津田 大介 広瀬 弘忠
インプレスジャパン
売り上げランキング: 62018

本書はメディアでも比較的に名前を聞く(僕自身初めて聞く人もいるけれど)学者、ジャーナリスト、編集者ら17人によって、昨年の震災の時にどのように行動し、震災をどのように振り返り、そして、今後をどのように過ごすのか、といった点についてまとめられた本である。
前半は上記17人とは別に、Googleや、Yahoo!JAPANを始めとするIT企業の震災への対応を、中盤は各論客による震災時におけるさまざまなITの対応について、後半は震災の経験を踏まえて今後のITの可能性を示している。本書を読んで「そうそう、こういうこともあった」とか、「こんな動きもあったのか」と初めて知ったりすることもあり、震災を振り返るには丁度良い一冊かもしれない。

Googleがホンダパイオニアから提供を受けて作成した自動車・通行実績情報マップは自動車関係のメディアでも取り上げられていて、こんなことができるのかと情報を提供したホンダとパイオニアの技術と企業姿勢に感心してしまった。(後に、トヨタ日産も情報を提供し、広範囲な通行実績情報の表示が可能になった。)

MITメディアラボ伊藤氏によるSafecastは放射能の測定・公開をボランティアで行った。Safecastによる放射能測定ボランティアは1979年3月28日にアメリカで発生した「スリーマイル島原子力発電所事故」の周辺の放射能測定を行うエキスパートも参加するなどかなり本格的なボランティアだ。放射能測定は、測定値を適切に読み解く知識も必要で、Savecastでもその点を踏まえた活動を行なっている。放射能に関する情報はツイッター上でも議論が熱くなっていて何が本当なのやら、どれを信じで良いのやら正直良くわからなかった。もう少し勉強が必要かもしれない。

荻上チキ氏の「その時、検証屋はどう動いたか」はなかなか興味深かった。実際自分も、Twitterでデマの発生から情報源が特定されて、デマの発信者が糾弾されるところを目にしたからだ。良かれと思ってやったこと(RTしたこと)が結果的にデマに加担していた。。。。なんてことが、幸い自分はなかったが、知人からのRTがデマだったことが度々あったので、情報を伝えることは、特にあのような非常事態時における情報伝達は難しいことだなと痛感。チキ氏も検証屋はどの程度「役に立ったのか?」については、かなり控えめだ。このあたりは評価をするのが難しい。個人的にはこういう情報の整理屋さんがいてくれてよかったと思う。

福島原発における作業員の活躍を美談のように伝えているメディアについては若干の違和感を感じたわけだが、その辺は東電と政府への責任追及をする一方で現場の作業員への関心の低いということで酒井信氏が触れている。欧米メディアが復旧にあたる作業員をフクシマ50として賞賛している様を日本のメディアがニュースとして取り上げる一方で、現場の作業員に関する情報についてはなかなか取り上げられない。この点は、以前読んだ鈴木智彦氏『ヤクザと原発』でも触れている。負の部分を隠して正の部分を伝えるって昔に多様なことがあったような。。。あっ、大本営か。日本は昔からちっとも変わっていないのかなと読んでいて若干気持ちが沈んでいく。

津田大介氏の震災時におけるツイッターでのコメントは知っている人も多いだろう。ジャーナリストとしてツイッターを駆使してどのように情報を扱っていったのかは、一つの参考になるかもしれない。主観的なコメントを付けずにそのまま情報を流す、政府が発表する情報とそれに反対する情報の双方を流す、といったことである。とかくツイッターばかりの話題が先行しがちだが、震災時のメディアの対応についてもしっかり触れている。

宮台真司氏による「日本は<空気に縛られる社会>」であるという指摘は、とても鋭いと思った。酒井氏のところでも触れたメディアへの違和感についても自分で腑に落ちた。震災でもコンビニで並ぶ日本人というのも、あれはあれですごいことだが、<空気に縛られる社会>の産物なんだなといわれるとなるほど。。。。

というように、いろいろ読んでいて思うことしきり。日本人は戦前も戦後も<空気に縛られている>んだなということが一番印象的だった。

2011年2月20日日曜日

【読書メモ】『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)
佐々木 俊尚
筑摩書房
売り上げランキング: 149



昨年(2010年)、ソフトバンクの孫社長と「光の道」についてUstream上で議論を行ったITジャーナリスト佐々木俊尚氏による本。キュレーションとは、「無数の情報の海の中から、自分の価値観や世界観に基づいて情報を拾い上げ、そこに新たな意味を与え、そして多くの人と共有すること。」と定義してます。

本書は手にとってまず新書にしては分厚くて、「おっ」と。その理由はキュレーションについて実際の例を丁寧に説明するなかで解説しています。著名ギタリスト(と言っても、日本では知名度の低い)を日本に呼んでいかにイベントを成功するかといった話、フォースクエアによるお店の情報共有の話、アウトサイダーアートの話など。

それらの逸話は、無数の情報の中から自分の価値観・世界観に基づいて拾いあげて、新たな意味を与えて多くの人と共有するということに繋がっていきます。

ツイッターで自分が得た情報を知人に共有するときにも、無意識に知人にキュレーションを通じて共有しているなと感じます。おすすめです。

【読書メモ】『日本人が知らないウィキリークス (新書y)』

日本人が知らないウィキリークス (新書y)
小林 恭子 白井 聡 塚越 健司 津田 大介 八田 真行 浜野 喬士 孫崎 享
洋泉社
売り上げランキング: 17925



気になったので読んでみました。単にいろいろな情報を漏らして国々が困ってる。。。だけでなく、ウィキリークスとは、そして、その社会への影響、今後の位置づけなどを複数の著名人が語っています。