2013年4月6日土曜日

【読書メモ】知の逆転 (NHK出版新書 395)

知の逆転 (NHK出版新書 395)
ジャレド・ダイアモンド ノーム・チョムスキー オリバー・サックス マービン・ミンスキー トム・レイトン ジェームズ・ワトソン
NHK出版
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本書は6名の著名な学者へのインタビューをまとめたもの。2010年から2011年6月の『中央公論』誌、「世界展望シリーズ」に掲載されたインタビュー記事がその元である。

インタビューの内容は各々の著作や研究に関するものから、世界情勢、宗教等々におよび、最後におすすめの本がある。 どんな人なのかは各々WIKIペディアでも見てくれれば詳しく説明があるのでここでは簡単なメモにとどめるが、名前だけ聞いてちょっと身構えてしまう。でも、実際に読んでみると、各々の方々がどのように今をみているのかが客観的かつ冷静で、わかりやすい語り口で語られていて、読みやすい。

個人的にはトム・レイトン教授のインタビューはとても興味を引きつけられるものだった。分野がITで日々自分が必ず覗く主要なサイトのほとんどが氏の設立したアカマイ社設立秘話は読んでいてとても身近に感じられる内容であり、「こんなところにもこの技術が活用されているのか」と興奮する内容であった。
また、ジェームズ・ワトソンの教育について語るところはとても感心させられる内容であった。なにを学ぶべきなのかという質問に対して「あなたの文化は一体何か?」を学ぶ事が大事と。これは、自国の歴史を理解して、さらに世界史から自国の歴史を見てみるということの大切さを教えてくれたような気がする。今後ますます歴史に関する本を読んでいこうと強く思った次第である。また、単に覚える=暗記ではなく、”それはなにを入っているのか”を考えることが大事だとも。有難いお言葉頂きました。

本書を最後まで読んでいくと、全編を通じてインタビューアーである著者の吉成真由美氏の深い質問に感心させられてしまった。当然、入念な準備を行った上で望んだであろうインタビューだということは想像するが、各々の「偉人」達へ自説を相手に投げかけつつ行う鋭い質問には「お~」と唸ってしまった。そして、各々著作が大変気になるのだが、他にも積読本がある自分としては、それらの著作を物色するのはあえてやめておこうと思う。

・ジャレド・ダイアモンド  主な著書:『銃・病原菌・鉄 上』『銃・病原菌・鉄 下
・ノーム・チョムスキー  「普遍文法」を提唱  主な著書:『生成文法の企て』
・オリバー・サックス  主な著書:『レナードの朝』
・マービン・ミンスキー  「人工知能の父」と言われる人。  主な著書:『心の社会』
・トム・レイトン  ネットワークへのアルゴリズム応用の世界的権威
・ジェームズ・ワトソン  ノーベル生理学・医学賞受賞。DNA二重らせん構造を発見。
 主な著書:『二重らせん』



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