2014年6月14日土曜日

【読書メモ】『医師は最善を尽くしているか―― 医療現場の常識を変えた11のエピソード』

医師は最善を尽くしているか―― 医療現場の常識を変えた11のエピソード
アトゥール・ガワンデ
みすず書房
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著者はアメリカの医師でTHE NEW YORKER誌の医学・科学部門のライター。2010年にTIME誌で「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている。

本書では様々な医療現場の中で困難に向き合う医師達の姿が描かれる。医療器具や医薬品が不足している僻地、地獄図のような戦場での治療現場、患者に誠意を持って対応した医師に対する医療訴訟など、個人ではいかんともし難い状況の中で大きな効果を挙げた事例を紹介している。

著者はそれらを「ポジティブな逸脱」と呼んでいる。そして、ポジティブな逸脱をするために以下の5つの提案を語りかける。
1.「筋書きのない質問をしろ」
2.「不平を漏らすな」
3.「何か数えろ」
4.「何か書け」
5.「変われ」

これらの提案の意味することは本書を読み込んで欲しいが、何も特別なことは行っていないことがわかるだろう。日々、地道に目の前の課題に取り組む。自分に妥協せず、自分の納得行くまで徹底的に考え抜くのである。そして、常に自分を客観的に捉え、変化するチャンスをさがし続けるのである。