2017年4月8日土曜日

【読書メモ】『戦争論』

日本人だけが知らない戦争論
フォレスト出版 (2016-03-31)
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戦争は通貨発行権と信用創造権を得るためにヨーロッパの大銀行家が引き起こしている・・・本書はこれらの説をイングランドの名誉革命の背景をたどりながら、フランス革命、長州戦争および戊辰戦争(明治維新)にそれぞれに起きたことにあてはめながら検証していく。

これらには驚くほどの共通点があり、いずれも、革命あるいは戦争終了後に政府銀行が設立されること見ることができる。 イングランド銀行(イギリスの中央銀行)、フランス銀行、日本銀行である。これらの政府銀行は通貨発行権、信用創造権を持っていて、それらの政府銀行の株主は政府以外に民間の株主で構成され、端的には、その民間の株主には、ヨーロッパの大銀行家がかかわっているということらしい。

そして、第一次第二次世界大戦は通貨発行権の行使のための戦争だという。金本位制をとっていた戦争当事国は膨大な戦費を調達するため、ドル建てで貿易を行い、必要な物資を調達する必要がある。そのため、自らもドルを持つ必要があり、そのためにはFRB(アメリカの中央銀行)からドルを調達するため、金と交換した。つまり、世界中の金がFRBに集まるということだ。

本書では、戦争を感情的に否定するのでなく、こういった世界の事情・事実に基づいて冷静に捉えることが大事であると説く。説得力もあるし、至極最もだが、 ただ、残念なのが、本の帯書き。著者の著作を他にも何冊か購入して読んで面白いと感じる反面、個人的に帯書きの文句が少し大げさで、胡散臭く感じられてしまうのが惜しいな~って。