2013年12月7日土曜日

【読書メモ】『反省させると犯罪者になります (新潮新書)』


犯罪を犯した受刑者は「反省文」というのを書くらしい。自らの罪を振り返るとともに今後二度と罪を起こさないよう自らの決意を書く。しかし、どんな立派な「反省文」を書いても本人はほとんど反省していないようだ。

実際に反省文を書いた受刑者への聞き取りの様子は読んでいてびっくりする。反省どころかその場を切り抜ければいいという考えしか持ち合わせていないことがわかる。いかに上手く反省文を書いて、その場をやりすごすか。著者はそんな現状の受刑者への対応についても疑問を呈する。

そこで著者は受刑者に徹底的な聞き込みを行う。それは受刑者がなぜ犯罪に至ったのかの原因を突き詰めて聞いていくもので、受刑者自身の生い立ちまでに行き着く。原因を追求する様子はとても引き込まれてしまった。

原因を徹底的に追求する姿勢は以前読んだ「オタクの息子に悩んでます」や「ロジカルな田んぼ」にも通じるものがある。やはり原因を追求することというのはすごく大事だな。