フランク・ディケーター
草思社
売り上げランキング: 15225
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HONZ.JPで成毛さんに紹介されていた本。中国モノの本をあまり読んだことがない自分にとっては「待ってました」といった感じ。で、実際に書店にて手にしたときはもう、その厚さにびっくりでありました。大丈夫かな、最後まで読めるかな。。。。
実際に読んでみると、自分の抱いていた中国に対するイメージがひっくり返った。いやはや「毛沢東」である。やりたい放題って感じだ。
この本では中国で取り組まれた「大躍進」という名の改革について取り上げている。1958年から1961年のたった数年だが、この期間に起きたことは本書を読むと凄まじい。ここまで人が非情になれて、そして多くの人が死んでいくのかという事例がこれでもかというぐらい載っている。もちろん、情報統制のとれた国だから正確な資料なぞでてこない。しかし、可能な限りの収集した資料と、取材に基づいた本書の内容は、この厚さにもかかわらずあっという間に読み進めてしまった。
戦争など痛ましい虐殺が起きるのは異教徒、異文化の民族対立で起きるのは歴史が証明しているが、本書を読んで驚いたのは、これほどの餓死、殺人が一つの国家の政策のもとに起きたということ。
つい先日、中国で起きた新幹線の事故で、車両を埋めてしまうムチャぶりを発揮した中国だが、この本を読んでみるとまだまだかわいいものかもしれないと感じてしまうとともにに、変に納得もしてしまった。