杉山 隆男
新潮社
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本書は震災発生時に、その場に居合わせた自衛隊員からみた震災の光景と自衛隊の活動の記録である。震災が起きた時、福島に駐屯していた自衛隊員は何を感じ、考え、どのように活動をしたのか。活動を通じた自衛隊員の葛藤が生々しく書かれている。読んでいてどんどん引きこまれてしまった。
震災地ではインフラは崩壊。そんな状況下で非常時を想定した訓練を積み重ねた自衛隊は心強い存在と感じる。万が一、自分が自分が同様の状況に置かれた時、素人の自分では自分の面倒を見つつまともな支援はできないと思うぐらいすさまじい状況である。
災害救助という場においての自衛隊の活動は、自衛隊に否定的な見方をも変えてしまうんじゃないかとさえ思ってしまった。
自衛隊が震災時にどのように活動したのか、平和憲法の元、あいまいな存在として教えられた自衛隊の活動を知るうえで、本書は日本人なら一度目を通しておいてもいいのではないだろうか。