2011年11月21日にこの世を去った落語家、立川談志。本書はその弟子である立川談春による前座時代のエピソードを綴った本。
立川談志はテレビ番組(EXテレビ)で上岡龍太郎が絶賛していた落語家ということで登場した際に初めて知った落語家。(実際に番組で落語を披露した)
普段ノンフィクションもの、科学ものを読書のジャンルとしているが、今回たまたま気になる書評を目にしたので購入してみた。立川談志が世を去ってからいろいろな「談志本」が発売されたが、本書は、2008年に講談社エッセイ賞を受賞しているもので、4年ほど前の本になる。
本書では、談志の弟子として入門した談春の失敗談から、談志からの教えなど、様々なエピソードに事欠かない。談志が談春に説教する場面は、読んでいてなんだか自分が叱られているような気分になってしまったくらい引き込まれる。
本書が特に面白いと感じるのは談春の心情の描写がとてもリアルで、志らくが入門した時の談春の描写部分は、「誰でもそう思うよな〜」と談春に感情移入しながら一気に読み進めてしまう。「叱咤とは。。。」と談志が語るところは、自分にも思い当たるところがあるだけに、とても印象的な内容だ。 談春が二つ目に上がるまでの苦労話、エピソードがその大半の内容となるが、真打昇進時も手に汗握る内容だ。最後はホロッとさせられる。やっぱり、生きるって大変だ。