松尾 匡
PHP研究所
売り上げランキング: 48,772
PHP研究所
売り上げランキング: 48,772
政府が経済政策に介入したケインズ型の「大きな政府」による政策は70年代に行き詰まり、代わって「小さな政府」のスローガンのもと、政府による介入を極力少なくした政策が目指されるようになった。しかし、著者はこの「大きな政府」による経済政策からの転換を「転換x」し、この「転換x」は「小さな政府」ではなく別のものであると主張する。
本書ではその「転換x」について掘り下げていく。その中で述べられているのが「リスク・決定・責任の一致が必要」、「予想は大事」である。このキーワードは社会主義国家である旧ソ連型経済の失敗を例に語られるが、実は資本主義国である日本にも当てはまる事例があることが語られてとても身近に実感しやすい。
例えば、沿岸漁業や医療法人の例などはなぜ株式会社化せず、漁業組合なのか、医師はなぜ医療法人なのかが「リスク・決定・責任の一致が必要」で当てはめていくととても納得できる。
また、反ケインズとしてミルトン・フリードマンにも触れられている。初心者にはとてもわかりやすい。彼は不況時の財政支出、金融拡大は一時的には雇用・生産が増えることを認めたのに対してそれをも否定しロバート・ルーカスの名も挙げられており、彼の主張した合理的期待モデルや、それらからゲーム理論そして、比較制度分析への広がりを見せていく。新書という限られたなかでコンパクトにまとめられているので経済初心者が読んでもとっつきやすい。
0 件のコメント:
コメントを投稿